紙素材なのにどうして射出成形ができる? ~究極のエコ化が進む~

エコ素材 パッケージ パッケージデザイン

おつかれさまです。管理人のはやとです。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今回はエコ素材のご紹介です。

僕は先日このようなツイートをしました。

昨今、SDG’sなどの取組からプラスチックを使わないエコ素材の開発がどんどん加速しています。
そんな中、最近のエコ素材として「紙の射出成形」が注目を浴びています。
ツイッターではかなりの反応があったので、今回ブログで詳しく紹介しようと思います。

簡単自己紹介

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射出成形ってなに?

パッケージ業界にいる方で輸送梱包や緩衝材などの部材に携わっている方は、真空成形や発泡成形はなじみある人も多いと思います。
しかし、「射出成形」についてはあまりなじみがないと思います。
なので、少しだけ射出成形に関して説明します。射出成形はインジェクション成形と一般的に言ったりもします。

射出成形で作られた製品

とりあえず今身の回りにある射出成形品を並べてみました。ノートPCのキーボード部分やボールペンなど。そして激しく塗装が剥がれてしまった見苦しいマウス、失礼しました・・・(笑)
つまり、よくあるブラスチック製品のボディは射出成形によって作られているというわけです。

どうやって成形しているの?


超シンプルに説明すると、このような射出成形機を使用します。
一般的なプラスチック素材は、熱すると溶けます。
射出成形は、熱して溶かしたプラスチックを金型の中に流し込み、冷やして固めて取り出すという手法です。
これらの画像は株式会社ニップラ様ウェブサイトで紹介されているもので、とても分かりやすく解説されています。
射出成形をもっと詳しく知りたい方はこちら

紙素材を使っての射出成形は新しい技術

紙素材を使った射出成形はここ10年ほどで確立された技術です。
今まで射出成形=プラスチック成形でしたが、未来は環境を配慮した素材での射出成形が主流になっていくかもしれません。
現に冒頭に紹介したような商品まで作れるようになりました。

紙の射出成形はパッケージに向いている

はて?
「プラスチックと同じ成形手法で作ることができるということは、世の中からプラスチックが無くなるの??」

✅答え
将来的には十分ありえるお話し

とはいえ、ブラスチックと同等の性能を引き出すほど技術的には進んでいません。まだまだ時間が掛かると思います。
しかし、使い方次第ではこの技術を生かした環境にやさしい商品を作り出すことが可能と考えています。

それが「パッケージ」への採用です。

最近このようなニュースがありました。

無添くら寿司「ビッくらポン」に世界初の“紙カプセル”試験導入、持ち帰り袋はバイオマスプラスチック配合に
https://www.ssnp.co.jp/news/foodservice/2020/06/2020-0615-1602-15.html

2020年6月のニュースです。
まさにこの商品が紙素材の射出成形品になります。
他にはノベルティー製品として活用できる場合もたくさんあると感じています。

射出成形のメリット

  • 1.自由な形が作れる
  • 2.環境配慮という視点からだとかなり優秀

自由な形状が作れる

比較対象として「パルプモールド」を例に挙げましょう。
パルプモールドは和紙を作るように、紙素材を水に溶かして金型の表面に材料を付着させ、その後乾燥工程を経て上下プレスを行ないます。
工程としてはシンプルですが、この手法ですと複雑な形状には向いていません。
凹凸がたくさんある複雑な形状や、上下のプレスでは物理的に成形不可能な形状を作り出すには、「射出成形」が向いています。

パルプモールドでは実現できなかった「アンダー形状」や「中空形状」を作り出すことが可能になりました。

環境配慮という視点からだとかなり優秀

成分には石油由来のプラスチック成分は入ってません。
また、仮に海に流されたとしても溶けてなくなります。
よって、有限資源消費と海洋汚染の観点から考えれば、とても優秀な素材といえますね。

紙素材射出成形の課題3つ

  • 課題1 水分に弱い
  • 課題2 微生物の影響を受けやすい
  • 課題3 コスト高

課題1 水分に弱い

素材は紙ですから仕方ないところはあるのですが、若干発泡させて成形しているので水分の影響が受けやすいのです。
パッケージのトレイなどで使用する分には全く問題ありませんが、液体を扱うものや外装には向いていません。
素材は紙ファイバーとテンプンが主成分になりますが、デンプンは水溶性ですのでやはり水分に影響を与えてしまいます。
今後は添加物の開発や材料密度を上げていく技術開発が進化して解決されていくものと考えています。

課題2 虫が付いたりする

これは課題というか、「環境配慮型」となるとどうしても相反する部分なわけですが、周りの衛生環境が悪かったりすると、ごくまれに虫が食べたりします。
ただ、生分解性となると避けて通れないところですので、それだけ環境に良いということが分かっていただけるかと思います。

課題3 コスト高

何事も新しいもが世に出ると、高いものです。同じものをプラスチック素材を比較すれば、1.5倍~2倍の価格になってしまいます。
しかしながら、今後一般的に普及してくれば当然コストは下がっていきますので、通常のプラスチックと同等の価格になることを期待したいですね。

私たちは、いち早くこのような環境にやさしい素材を世に広めたいと思い、比較的安価に作ることができる海外での生産に力を入れています。
興味のある方は「お問合せ」で情報お待ちしております。

さて今回は紙素材の射出成形についてのお話でした。
ツイッターでは日頃パッケージに関する情報を発信しています。
パッケージに関わるお仕事をされている方に対して有益な情報となっているかと思います。
興味のある方は是非フォローをお願いします。


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