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✅パルプモールド 「ウェット」と「ドライ」の違いについて詳しく解説するよ!

お疲れ様です。はやとです。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今回はブロー成型についてお話しします。

✅本記事を読むと得られること

  • パルプモールドについて詳しくなれる
  • パッケージデザインの幅が広がる
  • パルプモールドのコストについて理解できる

✅簡単自己紹介

✅先日こんなツイートしました

なんとなく理解していそうで、でもいまいちよくわからないという人に、もう少し詳しく解説しようと思います。

はじめに

パルプモールドは、紙を原料とした成形技術で、さまざまなパッケージや緩衝材に使用されます。その中でも「ウェットプレス」と「ドライプレス」は、パルプモールドの主要な製造方法として広く知られています。本記事では、それぞれの製造方法の違いや特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説します。


1. パルプモールドとは?

パルプモールドは、リサイクル可能な紙やパルプ繊維を主原料とし、水と混ぜて型に流し込むことで成形される技術です。環境に優しく、軽量でありながら強度があるため、エコ包装や工業用の保護材として注目されています。

主に以下の用途に使用されます。

  • 食品トレイや容器(卵パック、紙製コップの蓋など)
  • 電子機器の緩衝材(スマートフォンやヘッドホンの内装パッケージなど)
  • 高級ギフトボックスのトレー(化粧品や高級酒の包装)

パルプモールドの製造方法には「ウェットプレス」と「ドライプレス」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。


2. ウェットプレスとドライプレスの違い

ウェットプレス(Wet Press)とは?

ウェットプレスは、パルプを含んだ水分量が多い状態で型に入れた後、熱と圧力をかけて水分を抜きながら成形する方法です。

✅ウェットプレスの代表的製品

1.Apple製品の中にあるトレイ

こちらはiPadのパッケージの中に入っているトレイです

2.ソニーのヘッドホン、イヤホンシリーズ

ウェットプレスの工程

  1. パルプの準備:リサイクル紙やバージンパルプを水に溶かし、スラリー状にする。
  2. 成形(一次成形):金型(メッシュ型)に吸引してパルプを付着させ、余分な水を除去。
  3. プレス(二次成形):加熱した金型で高圧をかけながら圧縮し、水分をさらに取り除く。
  4. 乾燥と仕上げ:形状を固定し、必要に応じてカットや表面処理を行う。

ウェットプレスの特徴

✅メリット

表面が滑らかで高級感がある

寸法精度が高く、細かいデザインが可能

高密度で耐水性がある

化粧品や高級商品のパッケージに適している

デメリット

成形時間が長く、コストが高め

設備投資が必要で、生産規模が限られる

ドライプレス(Dry Press)とは?

ドライプレスは、成形時に含まれる水分が少なく、吸引成形後に加熱乾燥や自然乾燥することで硬化させる方法です。

✅ドライプレスの代表的製品

1.卵のトレイ

2.コーヒーなどのトレイ

ドライプレスの工程

  1. パルプの準備:スラリー状のパルプを作成。
  2. 成形(一次成形):吸引によって金型にパルプを付着させ、水分を除去。
  3. 乾燥:オーブンや熱風で水分を蒸発させながら硬化。
  4. 仕上げ:形を整え、必要に応じてトリミングを行う。

ドライプレスの特徴

✅メリット

生産効率が高く、大量生産に向いている

設備コストが比較的低く、導入しやすい

軽量でコストを抑えた製品が作れる

❌デメリット

・表面が粗く、高級感には欠ける

細かい寸法の再現が難しい

水に弱く、耐久性が低め


3. ウェットプレスとドライプレスの使い分け

比較項目ウェットプレスドライプレス
表面の仕上がり滑らかで高級感があるやや粗い
強度高密度で耐水性あり軽量だが水に弱い
生産コスト高め低め
生産スピード時間がかかる速い
用途高級パッケージ、化粧品、電子機器卵パック、食品容器、緩衝材

ウェットプレスは高級品やデザイン性が求められるパッケージに適しており、ドライプレスはコストを抑えた大量生産品に向いています。


4. どちらを選ぶべきか?

選択のポイントは用途とコストです。

高級感を出したいならウェットプレス(化粧品、プレミアム商品)

コスト重視ならドライプレス(食品容器、緩衝材)

耐水性が必要ならウェットプレス

大量生産ならドライプレス

企業がどちらを採用するかは、製品のターゲット市場やブランド戦略によって変わります。例えば、AppleやSonyの製品パッケージにはウェットプレスが使われることが多く、卵パックやマクドナルドのドリンクホルダーにはドライプレスが使われています。


まとめ

パルプモールドのウェットプレスとドライプレスには、それぞれのメリット・デメリットがあります。

  • ウェットプレスは高級感があり、耐水性・耐久性に優れるが、コストが高め。
  • ドライプレスは生産効率が高く、低コストで大量生産向きだが、表面の仕上がりは粗め。

用途やコストを考慮しながら、最適な成形方法を選ぶことが重要です。環境負荷が低く、持続可能なパッケージとしてパルプモールドの需要は今後も拡大していくでしょう。


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